適格年金に関しましては様々な業界で千載一遇のチャンスとばかりに、沢山の情報が提供されています。一方で情報が沢山あるわりには問題の本質について誤解が多いようです。例えば以下の点についてきちんと理解していますか?
1.廃止が問題ではありません。
適格年金が廃止されるから移行先を探さなければ。そういう話をよく聞きます。それは問題の本質ではありません。「何故廃止になるか」ということが問題なのです。積立不足の問題など、制度として破綻しているから廃止になるわけです。
2.移行しても問題は解決しません
多額の退職金を支払う約束をしている退職金規程や多額の積立不足など。これら多くの問題を抱える適格年金制度は他の制度へ移行するだけで問題は解決しません。考えて見て下さい。買いたいモノがあるとします。貯金箱にお金は足りません。仮に新しい貯金箱にお金を入れ替えてもお金が足りないことには変わりありません。そういうことです。
3.移行先の選定に悩んでいる
退職金制度を決めるほうが先決です。移行先は決定した制度にあわせた積立手段を選ぶだけです。積立手段に制度が引きずられてはいけません。
4.積立不足をどう解消したらいいかわからない
悩む必要はありません。解決策は2者択一です。掛金を増やすか、退職金を減らすかいずれかです。どちらを選ぶか決めるだけで、他に手段はありません。ただ、退職金を減らす場合は将来にわたってトラブルの火種を抱えないよう、慎重に対応する必要があります。
5.忙しいからあとにしよう
最悪のパターンです。先送りにするほど、既得権として補償する退職金額が増加します。1年先送りして1000万円以上増加したケースもあります。先送りする間売上確保に奔走しても、先送りにより多大な出費を強いられ、折角稼いだ売上が吹き飛んでしまいます。
6.すぐ解約しよう
解約時期を誤ると資金不足に陥ることがあります。適格年金は制度として破綻していますが、多額の積立金があることは確かです。よって専門家のアドバイスを受け、適切な解約時期を見極める必要があるでしょう。
7.ウチの従業員は文句を言わないよ
これは、まさに「妄想」です。確かに会社にいる間はとても文句など言えないでしょう。しかし、一旦会社を辞めてしまえばどうでしょう。サービス残業問題も多くは退職者からの申告です。
8.身近にいる専門家に相談する
適格年金問題は特殊です。誰でも詳しいわけではありません。税理士や社会保険労務士の試験でも適格年金についての深い知識を求めません。また、制度と積立、両方の問題を考えなければいけないので、制度設計の知識と積立手段の知識、両方が求められます。納得がいくアドバイスを受けられる専門家をきちんと探さないといけません。
どうでしょうか。沢山の本を読んだり、沢山のセミナーに参加している経営者様でも意外と問題の本質からはずれた部分で悩んでいる方が多いようです。全て当たり前のことなんですが、私がこれらのことをお話しすると、「こんな話ははじめてだよ」と言われる方が多くなっています。
問題の本質を理解できましたら、是非中立の立場でアドバイスをできる専門家を探し、正しい考え方で退職金制度改革・適格年金移行を実施して下さい。
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